Sonia's sanctuary

 

~飛べるかどうか疑った瞬間にその能力は永久に消える~ 

             ジェームス・マシュー・バリー(ピーターパンの作家)

アルフレードは滅多に語りかけてくれなかった。しかし語ったときは、有意義な教えに満ちていた。たとえば、あるとき彼はこういった。「禅は無に到達する道だが、
魔法はそこからスタートするのだよ」と。

 彼に教わる魔法のレッスンは、ほとんど野外で行なわれた。バスにも滅多に乗ることもなく、ひたすらロンドンの街をふたりで歩いた。あの日私たちは、やっとホーランドパークに着いた。

 思考が止まった世界は、動いていても周りの世界が静止したように感じられる。周囲の音もどれひとつ気を引くほど大きくは聞こえなく、すべてが調和と静けさを保っていた。それを乱さないように、ゆっくりと私たちは公園内を歩いた。「まずは、マジックサークルを探そう」と、彼は突然沈黙を切った。

 まず彼がひとつ見つけた。公園の中のある場所を彼は指さし、私たちはそこに向かった。彼が示した場所に着くと、そこは公園の他の場所とまったく変わらなく、緑の芝生が広がっていた。これといって目立って特別な場所ではなかったが、じっとその場所を見つめるようにアルフレードは私に指示した。

 すると直径2メートルくらいの円形範囲が、かすかに浮いていて、さざ波が立っているかのような動きが瞬間的に見えた。まるで3Dトリックの絵の中に、あるイメージが浮いて見えるような視覚のトリックのように見えた。その目に見えない円形に入ったり、出たり繰り返してみるようにと、彼は私に指示した。たしかにその円の中に入ると、はっきりと思考が止まった状態が保てて、失いそうになっていた別世界にちゃんといられるパワーを得ることができた。

 「パワースポットだよ、他にもあるから今度は自分で探してごらん」と、アルフレードは言った。私は彼に指示されるとおりにして、なんか所か同じような不思議な円形のスポットを公園内に私は見つけることができた。そのコツを掴んでからは、次はその中で透明人間になる方法をアルフレードは教えてくれた。どのようにしてそれができるようになったのか、残念ながら今ではその方法を思い出すことはできない。

 彼に導かれて別の世界に入ったときのことは、まるで夢のようで、この次元では記憶として残すことが難しかった。ただ、透明人間になることができた自分は、公園内を裸で歩いても誰にも気づかれないという確信と、優越感交じりの喜びに満ちていた。

 実際に円の中から出て歩くと、通りすがりの人々は私たちに気づかず、振り向いたりしなかった。「アルフレードは「決して他人と目を合わせてはいけない」と忠告した。私はその指示を守りながら、自分が裸の王様のような気分になっていることを感じた。私たちはベンチに腰掛けた。向かいの小道にいる老人が新聞を読んでいるのが見えた。
 

「ほら、見てごらん。情報が好きなんだよ、彼は」とアルフレードは言い、まるで珍しい動物や昆虫を観察しているかのように私に思えた。

 しばらくその老人を私たちは観察した。それから別の場所に移動して、別の人やクジャクを観察した。ほかのマジックサークルも見つけた。あの経験から何年か経っても、私は同じような特別なパワーを持つ、直径2メートルくらいのパワースポットを、日本でも何度か見つけることができた。今でもたびたび出会う。気がつかずに訪れた神社の境内に、そんな場所が隠れていることもある。それにしてもロンドンの街には、そんなパワースポットが至る所に散在していた。

 アルフレードから教わる魔法のレッスンの基本は、まずそういったマジックサークルを見つけ出し、それに入って別の世界に滞在する力を充実させることだった。また、静かに座っていると、部屋の四隅から確かな波動音が聞こえてくるアルフレードの小さな屋根裏部屋も、他とは違う特別なパワースポットだったのだ。 続く

愛知ソニア:8月のエネルギー/2023

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