Sonia's sanctuary

 ホーランドパークでのパワースポットを探したあのときから私は彼が開いてくれた世界に魅了され、学校の授業が終わったあとすぐに、何度も彼のところに足を運んだ。シェパードブッシュでバスを下り、同じ外観を持つ建物の列を抜けながら彼の住処へと向かう。しかし、不思議なことに、その場所は何度探しても見つからないことを何度も経験した。まるで迷路に迷い込んだかのように探せなかった。

 アルフレードという人物が現実に存在するのかすら、時には疑わしく感じることがあった。もしかすると、すべては夢の中の幻だったのだろうか?

 諦め、家へと戻る日々が続いた。そのような日が一か月も積もることすらあった。どうしても彼に会いたくなり、再び彼の家を訪れた。その日、何としても彼に会えるという確信があった時だけ、彼の住処を発見できたのだ。一階の入口でベルを鳴らすと、彼は快く迎えてくれた。

 「今日は私のアトリエへ行くかい?」と彼が入口で言うと、その日はいつものように一言も交わさず、彼の屋根裏部屋から聞こえる波の音を背に歩き続けた。一時間の沈黙の後、ようやく彼のアトリエに着いた。そこはある建物の正面横の階段を地下に降りた場所だった。典型的なロンドンのフラット様式の建物の地下室だった。

 中は広く、5、6人の若者たちが個々に作業に没頭していた。部屋の中央にはエッチング用の機械が鎮座し、その周りで皆が自分の作品を創り上げていた。アルフレードは一人ひとりを私に紹介してくれ、彼らが全員中南米から来たアルゼンチン人、コロンビア人、メキシコ人であることを説明した。彼ら全員がアルフレードと共にパリからロンドンに移住していたとのことだった。周囲の壁は個性溢れる模様の銅板で飾られ、その美しい作品群が彼らの生活を支えるアート商品であることに、私は気づいた。

 それらの銅板はどこかで見たことがあると感じ、たちまちポルトベロロードのある店の額縁に飾られたエッチングされた銅板を思い出した。また、同じ手法で裏面に皮が付けられた腕輪も、ロンドンのあちこちの店で見かけたことがあったと、記憶が蘇った。

 『なるほど、これがアルフレードの仕事なのか……』と私は思い、不思議な彼に対して少しずつ現実味が感じられるようになった。しかし、彼の弟子たちの視線からは、私の存在が気に入らないことが感じ取れた。彼らは彼の仕事仲間であるだけでなく、魔法のレッスンの生徒でもあった。私が最近先生を独占していることが、彼らの間で不満を生んでいるようだった。その空気を察してか、アルフレードは「彼女には、なかなかの素質があるんだよ」と、少し弁解するような口調で言ったが、彼のその言葉は皆に無視されたように思えた。

 アルフレードと私はアトリエを後にし、外に出た。私たちの間には沈黙の了解があり、外を歩く際には言葉を必要最低限にし、人や物に意識を集中せず、できるだけ早く世界が静止する状態に辿り着くことが目標だった。そのため、まず真っ先にマジックサークルを見つけ、その中で別の世界に変わることを確認する。そしてアルフレードが学びの課題を与える。その日は現代風に言う数秘のレッスンだった。



 12番のバスが遠くから近づいてきたとき、彼は「あれだ!」と叫んだ。バスが目の前の停留所に停まると、私たちは素早く乗り込んだ。その後、シンクロの運びとともに、私たちは12というナンバーをひたすら追い求めた。『もう夜が明けようとしている。このゲームはいつまで続くのだろう……』疲れ果て、そろそろいやになってきた私の心の中で、その思いが渦巻いていた。

 「さて、今日はこれくらいにしよう。12の意味がわかってきたかい?」と彼が尋ねたが、私は首を振り「いや、何も」と素っ気なく答えた。彼は微笑みながら、「眠りにつくと、きっと12からのメッセージが届くよ」と言った。

 あの日のレッスンのことはほとんど覚えていないが、アルフレードと別れてから眠りに落ちた私が見た不思議な夢のことだけは、今でも鮮明に思い出せる。

 あれからしばらくアルフレードとは会えず、次に会ったときには、また別のナンバーのシンクロニシティを追求することになった。これが数か月続いた後、次のステージへと進んだ。

 私たちは拝観時間後のロンドン動物園で、透明人間の術を使って誰にも気づかれずに居残り、動物たちと一晩中対話した。今振り返ると信じがたいことだが、何度も成功した。満月の夜、動物たちと語り合ったこともあった。その時、満月の光に照らされた黒いオウムの悲しい物語が、今でも時々私の心をかき乱す。 続く

愛知ソニアの8月16日に迎える「新月のエネルギー」
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